溶接工不足への対応:AMI Attachments社がVisual Components OLPを活用して生産効率を向上させた方法
北米を代表する重機アタッチメント製造業者のAMI Attachments社は、生産効率を向上させ、市場の変化する需要に応えると同時に、溶接技術者の不足という課題に直面していました。Visual ComponentsのOLPソフトウェアを導入することで、ティーチング時間を70%削減し、生産効率と品質の向上を実現しました。
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顧客中心の生産設備のイノベーションと成長を切り開く
AMI Attachments(AMI)社は、北米を代表する重機アタッチメントの製造業者で、高品質で信頼性の高い製品で知られています。AMI社は2001年に設立され、1,393m²の工場からスタートして、9,290m²の施設にまで成長しました。同社は、最高品質の製品と優れた顧客サービスを通じて、顧客の生産性向上をサポートすることに尽力しています。
溶接工不足に対応するロボットとオフラインティーチング
市場の需要が変化し、溶接工不足に直面していたAMI社は、MIG溶接プロセスにパナソニック株式会社製のロボットを導入しました。しかし多品種少量生産では、手動ロボットティーチングは時間がかかり、エラーが発生しやすいという課題がありました。技能を持つ溶接工の不足がこれらの問題を一層深刻化させ、停止時間や溶接品質のばらつきが生じていました。
ロボットティーチングプロセスを効率化し、従業員の負担を軽減するため、AMI社はオフラインティーチング用のVisual Components OLPを導入しました。AMI社のRobotics Supervisor and Lead ProgrammerのPJ Muker氏は、ロボット部を監督し、ロボットソリューションが生産目標を達成できるよう取り組んでいます。同氏のチームはロボットティーチングを担当し、作業部品の準備や生産タスクの管理を行い、スムーズなワークフローを維持しています。
ロボットは多品種少量生産には最適ではありませんが、Visual Componentsのオフラインティーチングを使用することで、ロボットティーチングを効率化し、スピードアップさせることができます。
AMI社、Robotics Supervisor and Lead Programmer、PJ Muker氏
AMI社は、Visual Componentsの北米パートナーであるMach Machines社のサポートを受けて、ロボットオフラインティーチング(OLP)に移行しました。AMI社のロボットエンジニアは、カスタマイズされたトレーニングプログラムにより、Visual Components OLPを最大限活用できるようになりました。また、リモートおよび現場でのキャリブレーションによって停止時間を最小限に抑えることができ、スムーズな運用と正確なロボットのセットアップを実現しました。
質問があるときはいつでもVisual Componentsのサポートに連絡しています。彼らはいつも親身になって対応してくれます。とても良い経験になっています。
AMI社、Robotics Supervisor and Lead Programmer、PJ Muker氏
Visual Components OLPの統合後、AMI社はさらに株式会社安川電機製の溶接ロボットを5台導入しました。Visual Components OLPの17種類のロボットポストプロセッサーを使用することで、異なるネイティブ言語へとプログラムを簡単に変換し、現場のロボットにダウンロードしてリアルタイムで実行し、柔軟性と効率性を向上させています。
生産効率を高めるロボットオフラインティーチングワークフローの最適化
Visual Components OLPを採用して以来、AMI社はシームレスなコラボレーションと効率の向上のためにOLPワークフローを最適化しました。
- CADファイルの準備:ロボットのジョブがスケジュールされると、ロボットエンジニアはジョブ番号と対応するCADファイルを取得し、Autodesk Inventorソフトウェアを使用してキャリブレーション済みのロボット治具で部品を固定します。
- STEPファイルのエクスポート:ロボットエンジニアはCADモデルをSTEPファイルとしてエクスポートし、それをVisual Components OLPにインポートします。Visual Components OLPでサポートされるCADファイルの一覧はこちらをご覧ください。
- ティーチングと連携:部品はロボットポジショナーに取り付けられ、ティーチング段階に入ります。ロボットエンジニアはコメントを追加し、部品仕様や予熱が必要な場合などの関連情報を作業者に通知するアラームやタイマーを設定します。
多くのロボットオフラインティーチングソフトウェアを使用してきたPJ Muker氏のチームは、Visual Components OLPの優れたユーザーエクスペリエンスとリアルなグラフィックを高く評価しています。溶接テンプレートでロボットプログラムを保存し再利用できるため、類似部品のティーチング時間が短縮され、さまざまな部品向けに迅速に適応できるようになりました。
こうしたスマートな機能は、ロボットティーチングの煩雑さを大いに軽減してくれます。システム全体を数日でティーチングできます。オンラインで行うと、ティーチング時のロボットの動きが遅く、製品の規模も大きく、ティーチングが複雑なため、少なくとも1~2週間かかります。オフラインで行うことで、何週間もの時間を節約できます。本当に助かります。
AMI社、Robotics Supervisor and Lead Programmer、PJ Muker氏
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スティッチ溶接のプロセスは以前、ティーチペンダントでのティーチングによって、より小さい部品で1日以上、大きい部品で2日以上を要しました。しかし、Visual Components OLPを使用することで、かかる時間が小さい部品では4~7時間、大きい部品では14時間に短縮されました。また、20ポイントのスティッチ溶接を行う場合、以前は1~2時間かかっていたものが、わずか10分で完了するようになり、複数の溶接を同時に処理できるようになりました。この改善は効率を大幅に向上させ、作業の負担が軽減しました。
工場で最初から完全にプログラムを作成して検証するには、少なくとも2週間はかかります。一方オフラインであれば数日で作業を終えることができます。プログラムを検証して微調整を加えた後、合計約4日間で完成します。この結果、1週間半ほどの時間の節約になります。また、オフラインで作成するプログラムは、再現性が高く、正確で効率的です。プログラムは整理されており、誰にでも読みやすく、全体的にすっきりしていて分かりやすい仕上がりになります。
AMI社、Robotics Supervisor and Lead Programmer、PJ Muker氏
品質を最大限高め、停止時間を最小限に抑える
Visual Components OLPにより、溶接の一貫性が大幅に向上し、気孔や溶け落ちなどの欠陥が減少しました。不均一な金属部品の場合、検索機能により溶接シームを正確に識別できるため、複雑で長いプログラムにおいても高い精度が確保されます。
オフラインロボットティーチングへの移行により、停止時間が最小限になり、生産能力が向上しました。その結果、AMI社は顧客からの注文をより多く受け入れ、高い品質基準を維持できるようになりました。また、このアプローチによってロボット作業者が他のタスクに集中する時間が確保され、生産性がさらに向上しました。
AMI社は、PCベースのオフラインティーチングプラットフォームとしてVisual Componentsを使用し、稼働時間を最大化しています。このツールは、豊富なモデルライブラリと、安全でタイムリーかつコスト効率の良いロボットジョブを簡単に作成できる組み込み機能を備えており、高度な詳細シミュレーションを作成できます。また、ティーチングの熟練度とナレッジベースを構築し、この作業セルや工場内に設置された他の作業セルから利益を最大限得ることができます。
Combatting the welder shortage with robotics and automation, Canadian Fabricating & Welding
溶接工を対象としたロボットプログラム検証スキルの向上
AMI社が溶接プロセスにロボットを初めて導入した際、ロボットが工場では一般的ではなかったため、ロボットの導入に消極的な溶接工もいました。しかし、技術が統合されるにつれてチームはロボットの使用に慣れ、多くのメンバーがそのメリットを直接実感しました。
従来の溶接とロボット技術のギャップを埋めるため、数人の溶接工はロボットプログラム検証作業を担いました。彼らの豊富な実地経験は、衝突を修正したり、トーチ角度を調整したり、製品を迅速に完成したりする上で役立っています。
現場で、手作業で行った経験や知識を持った人々と、ロボット技術が組み合わさることで、すべての作業がスピードアップし、より安全で効率的になります。
AMI社、Robotics Supervisor and Lead Programmer、PJ Muker氏
AMI社は、先進技術とロボットオフラインティーチングを活用することで、高品質のアタッチメントの製造において業界をリードし続けています。同社の革新的なアプローチは、他の多品種少量生産を行う製造業者から注目を集め、溶接工不足に対処しながら生産効率と品質を向上させるロールモデルになっています。
Visual Componentsについて
Visual Componentsはシミュレーションの専門家チームによって設立され、20年以上の実績を持つ3D製造シミュレーション業界の先駆者の一つです。主要なブランドの信頼できる技術パートナーであり、機械メーカー、システムインテグレーター、製造業者に、シンプルで迅速、かつコスト効率の高いソリューションを提供しています。Visual Componentsのソリューションを使用して、製造プロセスの設計とシミュレーション、ロボットオフラインティーチング(OLP)を行うことで、産業用ロボットの迅速で正確かつエラーのないティーチングを行うことができます。
当社のソリューションを活用するメリットについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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